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借用書(金銭消費貸借契約書)テンプレート【Word無料ダウンロード・書式例付き】

借用書

なぜ書類を残すのか?

 弁護士であれば、「一筆もらっておいてください」とアドバイスをすることが多々ありますが、なぜ書類に残すのでしょうか。端的には、お金を渡したところも現金であれば目撃者もいないでしょうし、「もらっていない」「知らない」と言われた場合、後日、その証拠を作成することは難しいところです。
 もし裁判をするのであれば、その証拠は不可欠ですし、後日、返還交渉をする場合であっても、証拠があるのと、何も証拠がないのでは交渉力も大きく変わります。

どのような書類を残すのが適切か?

 可能であれば、借用書のひな形でも持参し、それに記載していただくのが理想です。それが難しいのであれば、名前、金額、借りたということ、お金を受け取ったことだけでも自筆で書面化してください。なお、自筆であることは明らかとしたいのですが、押印については、実印で無い限りは、あまり重要なことではありません。

借用書の書式例

借用書

  貸主A(以下、「甲」という。)と借主B(以下、「乙」という。)は、本日、以下のとおり金銭消費貸借を締結した。

1 甲は、乙に対し、金100万円を本日、乙の口座に振り込む方法により(現金を交付する方法により)貸し付け、乙はこれを受領した。
2 本貸金の利息は年○%とする。
3 本貸金の弁済期は令和○年○月○日とし、元利金合計額を、以下に記載の甲の口座に振り込む方法により支払う。

上記の金銭消費貸借契約を証するため、本契約書2通を作成し、各当事者署名押印の上、各1通を保持する。

令和  年  月  日
        貸主(甲)住所
             氏名             印
        借主(乙)住所
             氏名             印

▶ 借用書のテンプレートをダウンロード(Word形式)

 Word版には、返済を受ける振込口座の記入欄を設けています。テンプレートはご自身の責任で、事案に合わせて修正してご利用ください。

このほか、返済を分割とする場合、分割金の支払いを遅延した場合の扱い、連帯保証人を定める場合、担保を設定する場合といったことも考えられます。

借用書を作成するときの注意点

利息・遅延損害金には上限があります

 利息の利率は、利息制限法により、元本が10万円未満の場合は年20%、10万円以上100万円未満の場合は年18%、100万円以上の場合は年15%が上限とされており、これを超える部分は無効です。遅延損害金についても、これらの利率の1.46倍(元本100万円以上であれば年21.9%)が上限となります。個人間の貸し借りでも適用されますので、利率を定める際はご注意ください。
 なお、利息の定めをしなかった場合、原則として利息は請求できません(民法589条1項)。一方、返済が遅れた場合の遅延損害金は、定めがなくても法定利率(現在は年3%)により請求できます。

収入印紙が必要です

 借用書(金銭消費貸借契約書)は印紙税の課税文書(第1号の3文書)にあたり、記載された金額に応じた収入印紙を貼る必要があります。例えば、貸付金額が50万円超100万円以下であれば1,000円、500万円超1,000万円以下であれば1万円です。契約書を複数通作成する場合は、各通に印紙が必要です。

貸金の返還請求権には時効があります

 貸したお金を返してもらう権利は、原則として、返済期限から5年で時効により消滅します(民法166条1項)。返済が滞っている場合は、早めに対応をご検討ください。
 返済期限を過ぎても返してもらえない場合は、まず内容証明郵便で返済を求めるのが一般的です。内容証明郵便の書き方とテンプレートでは、貸したお金の催告書の文例(Word形式)を無料で配布しています。

連帯保証人をつけた借用書(金銭消費貸借契約書)

連帯保証について

 連帯保証人は債務者とほぼ同様の義務を負います。債務者が弁済をしてくれればいいのですが、そうでなければ、連帯保証人が支払いをしなければならないことになります。
 連帯保証人になったために生活が出来なくなるといったことが社会問題となり、平成16年の民法改正では、保証契約は書面でしなければ効力を生じないこととされました。さらに、令和2年(2020年)4月に施行された改正民法では、事業のための借入れを個人が保証する場合について、公正証書による保証意思の確認や、主債務者による情報提供義務などのルールが新設され、保証人の保護が強化されています(詳しくは次項をご覧ください)。また、金融機関の融資においても、「経営者保証に関するガイドライン」などにより、経営者の個人保証に依存しない融資を進める取り組みが広がっています。
 ただ、やはり会社に資金を貸す以上、会社が返済をせずに、社長がいい暮らしをしているのは納得できませんし、社長個人に対し連帯保証を求めたいことも少なくないでしょう。

なお、社長が会社をM&Aで売却しても、会社の借入れについての連帯保証は自動的には外れません(参考:中小企業のM&A・事業承継の流れQ&A)。
 逆に、経営者ではない第三者を連帯保証人とする場合には、次項の手続きを踏まなければ、保証契約自体が無効となったり、取り消されたりするおそれがあります。

事業のための借入れを個人が保証する場合の注意点(2020年4月施行の改正民法)

経営者以外の個人が保証人になる場合は公正証書が必要です

 事業のために負担する貸金等の債務について、個人が保証人(連帯保証人を含みます)となる場合、保証契約を結ぶ日の前1か月以内に、保証人本人が公証役場で保証債務を履行する意思を表示した公正証書(保証意思宣明公正証書)を作成しなければ、保証契約は無効となります(民法465条の6)。
 ただし、借主である会社の取締役や、議決権の過半数を有する株主など、いわゆる経営者が保証人となる場合には、この手続きは不要です(民法465条の9)。会社への貸付けで社長個人に連帯保証人となってもらう場合は、これに当たります。

借主は保証人に財産状況などを説明する必要があります

 事業のための債務について個人に保証を依頼する場合、借主は、保証人に対し、自身の財産や収支の状況、ほかに負っている債務の有無や額、担保として提供するものなどを説明しなければなりません(民法465条の10)。説明がなかったり事実と異なる説明がされたりしたために保証人が誤解して保証した場合、貸主がそのことを知り、または知ることができたときは、保証人は保証契約を取り消すことができます。貸主としても、借主から保証人に十分な説明がされたかを確認しておくことが大切です。

貸主にも保証人への情報提供義務があります

 借主から委託を受けた保証人から求められた場合、貸主は、借主の返済状況(元本・利息・遅延損害金の未払いの有無や残額など)を保証人に知らせなければなりません(民法458条の2)。また、借主が期限の利益を喪失した場合には、個人の保証人に対し、それを知った時から2か月以内に通知しなければならず、通知しなかったときは、通知するまでの間に生じた遅延損害金を保証人に請求できなくなります(民法458条の3)。

連帯保証は自筆による署名、実印で押印を

 保証の意思をめぐる争いを避けるためには、連帯保証人には自筆で署名、押印をしていただき、実印での押印、印鑑証明書の添付を求めるべきです。
 通常、実印は他の人に管理をさせません。このため、実印を押印している場合には、押印者が真意で契約したと考えることができます。
 なお、前項のとおり、経営者以外の個人が事業のための借入れを保証する場合には、実印での押印や印鑑証明書の添付に加えて、保証意思宣明公正証書の作成が必要です。

連帯保証人をつけた借用書(金銭消費貸借契約書)の書式例

 以下のような書式を参考としてください。なお、利息については記載をしていませんが、利息の定めをすることも可能です。また、この書式例は、連帯保証人(丙)が借主(乙)の代表取締役など経営者である場合を想定しています。経営者以外の個人を連帯保証人とする場合は、別途、保証意思宣明公正証書の作成が必要です。

金銭消費貸借契約書

  貸主A社を甲、借主B社を乙、連帯保証人Cを丙とし、甲乙丙は、本日、次のとおり金銭消費貸借契約を締結した。

1 甲は、乙に対し、本日、以下の約定にて金1000万円を貸付け、乙はこれを受領した。
    弁済期 令和○年○月○日
    利息  無利息
2 乙が期限内に弁済をしない場合には、乙は、支払い済まで未払い金に対し、年14.6%の割合による遅延損害金を付加して弁済する。
3 連帯保証人丙は、借主乙が本契約にて負担する一切の債務について、借主と連帯して履行することを保証する。
4 丙は、本契約の締結に先立ち、乙から、民法第465条の10第1項各号に掲げる事項(乙の財産及び収支の状況等)について情報の提供を受けたことを確認する。

以上、本合意成立の証として本書3通を作成し、甲、乙、丙は署名押印の上、各1通所持する。

令和  年  月  日
        貸主(甲)住所
             氏名             印
        借主(乙)住所
             氏名             印
        連帯保証人(丙)住所
             氏名             印

▶ 連帯保証人付き金銭消費貸借契約書のテンプレートをダウンロード(Word形式)

本コラムはリスク法務実務研究会にて当事務所の弁護士小川剛が寄稿している内容を、一部改訂して掲載しております。

※2026年10月、改正民法(2020年4月施行)等を踏まえて内容を更新しました。

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