※2020年4月1日施行の改正民法に合わせて、内容を一部更新しています(2026年10月更新)。
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連帯保証契約における注意点
金銭消費貸借等では、連帯保証人も加えた三者契約とされることがあります。
連帯保証とは
連帯保証人にだけはなってはいけないと言われることもありますが、連帯保証とはどのような契約なのでしょうか。
連帯保証は債務を保証する契約であり、連帯保証人は、主債務者と同様に債務を負担しなければなりません。債務だけを負う契約となります。
連帯保証は貸金契約に限らず、賃貸借契約等でも一般的に用いられます。例えば、銀行から事業資金を借りる場合には代表者が連帯保証人になっているでしょうし、アパートを借りる場合にも、連帯保証人は必要とされるはずです。
債権者としては、債務者が支払えない場合には連帯保証人に請求ができるのですから、債権保全の重要な手段となります。一方で連帯保証人としては、主債務者が支払えない場合にはその全責任を背負わなければなりません。何の利益もないのに、友人に頼まれて印鑑をついたばっかりに、多額の借金を背負う・・といったこともありえます。そこで、冒頭の「保証人にだけはなってはいけない」という話になりますし、保証人を保護するため、2020年4月1日施行の改正民法で、保証のルールが大きく見直されました(後述)。
連帯保証契約の契約書記載例
通常、金銭消費貸借契約では、貸主と借主の二者契約です。連帯保証人を加える場合には三者契約となり、契約書の頭の部分は次のような記載となります。
『貸主○○(以下、「甲」という。)と借主○○(以下、「乙」という。)及び連帯保証人○○(以下、「丙」という。)は、以下のとおり、金銭消費貸借契約及び連帯保証契約を締結する』
そして、契約書の条項に
『第○条 丙は、本契約に基づき乙が甲に対して負担する一切の債務について、乙と連帯して履行の責を負う』
といった記載をし、末尾に連帯保証人も署名・押印をすることになります。
契約書への署名、押印について
保証契約は民法により書面でしなければなりません(電子契約などの電磁的記録によることもできます)ので、連帯保証契約も口頭では無効です。必ず契約書を作成してください。
また、連帯保証人は債務のみ負うのですから、後々、自分は保証人になったことはない、と主張されるといった紛争も少なくありません。そこで、このような紛争とならないためにも、連帯保証契約を締結する場合には自筆による署名、実印による押印、印鑑証明書をそろえることは不可欠です。
2020年4月施行の改正民法による保証のルール
個人の根保証には極度額が必要
賃貸借の保証や継続的な取引の保証のように、将来発生する不特定の債務を保証する契約を「根保証契約」といいます。個人が根保証をする場合、保証人が負担する上限額(極度額)を書面で定めなければ、保証契約は無効になります(民法465条の2)。
事業用の借入れの保証には、公正証書による意思確認が必要
事業のための借入れについて個人が保証人になる場合、原則として、契約前1か月以内に保証意思宣明公正証書を作成しなければ、保証契約は無効になります(民法465条の6)。主債務者である会社の取締役などは、この手続は不要です(民法465条の9)。
保証人への情報提供義務
保証に関しては、主債務者と債権者に次の義務があります。
- 主債務者:事業のための債務の保証を個人に頼む場合、自分の財産や収支などの状況を説明しなければなりません。説明がなかった場合や事実と違う説明をした場合で、債権者がそれを知ることができたときは、保証人は保証契約を取り消せます(民法465条の10)。
- 債権者:保証人から求められたら、主債務の履行状況を伝える義務があります(民法458条の2)。また、主債務者が期限の利益を失った場合は、そのことを知った時から2か月以内に、個人の保証人へ通知しなければなりません(民法458条の3)。
連帯保証契約をするということ
連帯保証は、債権者にとっても債務者にとっても重要な契約です。
債権者となる場合には、資力のある人物を保証人とできれば、債権管理リスクは大幅に軽減されます。一方で、連帯保証人になるということは、大きな負債を背負う可能性がありますので、リスクがどの程度の大きさになるのかよく見極め、慎重な対応をすることが必要です。
賃貸借契約の保証人でも、債務者が明渡しをしなければ、いつまでも賃料負担を迫られますし、原状回復による損害も負担することになるので、想定よりも高額の負担となることもありえます。
なお、前述のとおり、個人が賃貸借契約の保証人になる場合は極度額の定めが必要なので、保証人が負う責任の上限は契約書で確認できます。
本コラムはリスク法務実務研究会にて当事務所の弁護士小川剛が担当している内容を、一部改訂して掲載しております。
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[…] 連帯保証人:2020年4月施行の改正民法により、賃貸借契約の連帯保証のように将来の不特定の債務を保証する個人の保証契約は、極度額を書面で定めなければ効力が生じません。契約書の確認が欠かせません。また、保証人から求められたときは、賃料の支払状況などを情報提供する義務があります。連帯保証については連帯保証契約の記事もご覧ください。 […]
[…] 保証人:個人が賃借人の連帯保証人になる場合は、保証の上限額(極度額)を書面で定めなければ保証契約は無効になります(民法465条の2。詳しくは連帯保証契約をご覧ください)。 […]